筋肉は徐々に細くなり、ヒモ状の線維となって骨に付着しそのヒモ状の線維の部分を腱と呼びます。
筋肉が縮むと腱を通じて牽引し、骨に伝わり関節を動かします。
腱は腱鞘(けんしょう)というトンネル状のものに包まれ、指ではこの腱鞘が関節を動かす際に腱を浮かないように固定しすべりをよくする働きがあります。
指の曲げ伸ばしをすると腱はこの腱鞘の中をすべっていき、その時に必ず摩擦が生じ過度に繰り返されると腱または腱鞘が腫れ、肥厚することにより症状を出します。
指の腱鞘炎には大きく分けて2つあります。
①ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
②ばね指(弾発指)
①ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
ドケルバン病は手の甲側の親指の付け根にある腱に起きる腱鞘炎です。
親指を伸ばすための短母指伸筋と、手を広げる際に親指を外側に動かすために働く長母指外転筋が原因となります。
この2つの腱は同じ1つのトンネルを通るため擦れ合って、より摩擦が起きやすくパソコンのキーボード入力など親指の曲げ伸ばしが多いと症状を出し、親指を動かしたり、力を入れた時の痛みの他にも腫れなどを出します。
②ばね指(弾発指)
ばね指は手のひら側にある指を曲げるための屈筋腱に起こります。
これは腱自体が腫れ、指を曲げた際に腱鞘の入り口に引っかかってしまい一度止まり、指を伸ばす(腱が通過する)際に、急に「カクン」っと伸びます。これを弾発現象と呼びます。
弾発現象は朝に出やすく、寝起きに指が曲がったまま固まってしまい、強制的に伸ばさないと伸びなくなってしまいます。
他に関節部に硬い索状物が触れられ、触ると痛みを出します。